M&A後のシナジー(相乗効果)を特定するPMI必須ツール。2社の活動を比較して「どこで価値が生まれるか」を見える化する。
バリューチェーン = 企業活動を「価値(Value)の連鎖(Chain)」として分解するフレームワーク
マイケル・ポーター(ハーバード・ビジネス・スクール)が1985年に提唱。製品・サービスが顧客に届くまでの一連の活動を「主活動」と「支援活動」に分類し、どこでコストが生まれ・どこで価値が生まれるかを可視化する。PMIでは2社のバリューチェーンを並べてシナジーを特定する。
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2社で同じ活動が重複している場合、統合してコストを削減する。
2社のバリューチェーンが補完し合い、単体では出せない収益を生む。
A社とB社それぞれの主活動・支援活動を書き出す。「この会社は何で価値を生み・何でコストをかけているか」を把握。決算書・業務フロー・ヒアリングを活用。
2社を横に並べて「同じ活動をしている部分(重複→コストシナジー候補)」と「一方が得意・他方が苦手な部分(補完→売上シナジー候補)」を色分けする。
「共同調達で年間いくら削減できるか」「クロスセルで年間いくら追加できるか」を試算。効果が大きく・実現リスクが小さいシナジーから100日プランに組み込む。
「シナジーがある」で終わらせない ― 金額・期間・担当まで落とし込む
シナジーは「試算→計画→実績」で管理する
DDの段階でシナジーを試算し、PMI実行段階で計画に落とし込み、100日後に実績と比較する。「なんとなく効果がありそう」では経営陣も投資家も納得しない。必ず金額で語る。
シナジー数値化の3ステップ
例:A社「購買・調達」とB社「購買・調達」が統合 → 調達量が増加し単価交渉力が上がる。
「どの活動」×「コスト削減か・売上増加か」を明確にする。
例:現在A社の年間調達費1億円・B社8,000万円 → 合計1.8億円の調達を統一ルートで発注
→ 現在平均より10%ディスカウントを交渉できると仮定 → シナジー:1,800万円/年
ポイント:楽観的な前提より「保守的な前提」で試算する。
シナジーが実現するには統合コスト(システム移行費・人件費・研修費)がかかる。
ネットシナジー = シナジー効果 ▲ 統合コスト
例:シナジー1,800万円/年 ▲ 統合コスト500万円(初年度のみ)= 初年度1,300万円・2年目以降1,800万円