M&Aで「この業界は今後成長するか・参入すべきか」を判断するための業界評価ツール。
PEST = Political(政治)・Economic(経済)・Social(社会)・Technological(技術)
企業が自分ではコントロールできない「マクロ外部環境」を4カテゴリで整理するフレームワーク。フランシス・アギュラー(Harvard Business School)が1967年に提唱。M&Aで買収対象業界の「将来性とリスク」を評価するときに必須。
例:事業承継推進政策 → PMI市場拡大(機会)
例:原材料費高騰 → 食品業界コスト増(脅威)
例:経営者高齢化 → 事業承継M&A需要急増(機会)
例:生成AI普及 → PMI SaaS機能強化(機会)
PESTの分析結果はSWOTの「O(機会)」と「T(脅威)」にそのまま流し込める。PESTは「SWOTのO・Tを作るための原材料集め」とも言える。
「どの業界を分析するか」を具体的に定める。「食品スーパー業界」「訪問介護業界」など。曖昧なままだと的外れな要因が入ってくる。
各カテゴリで「この業界に影響しそうな社会全体の変化」を列挙する。現在だけでなく「今後3〜5年の変化予測」も含める。
同じ要因でも業界・企業によって機会にも脅威にもなる。「高齢化」→ 介護業には機会、若者向け商品会社には脅威。業界ごとに判断する。
当社のPMI Managerが属する「PMI支援SaaS業界」を分析してみよう。
| P(政治) | E(経済) | S(社会) | T(技術) |
|---|---|---|---|
| 中小企業庁の事業承継推進政策 機会 |
M&A件数の増加で市場拡大 機会 |
経営者高齢化・後継者不足 機会 |
生成AI・Claude APIの普及 機会 |
| 個人情報保護法の強化 脅威 |
中小企業のIT投資余力の限界 脅威 |
PMI専門人材の不足 機会(外部委託需要) |
大手ITベンダーの類似SaaS参入 脅威 |
PESTの要因を「どれが重要か」で優先順位付けする
PESTで挙がった要因を全て同等に扱うな ― 重要度で絞り込む
PESTを実施すると多くの要因が挙がる。全部を戦略に織り込もうとすると焦点が定まらない。「影響度(大きいか)×確実性(起きる可能性が高いか)」の2軸で絞り込む。
影響度 × 確実性 マトリクス
3〜5年後のPEST予測の方法
PEST分析は「現在」だけでなく「3〜5年後の業界環境の変化」を予測するためにも使う。特にM&Aでは「今魅力的な業界が5年後も魅力的か」を見極める必要がある。
Political:政府の長期計画・法改正のスケジュール(例:2030年カーボンニュートラル宣言)
Economic:人口動態・GDP成長率トレンド・金利の長期見通し
Social:世代交代・ライフスタイル変化・価値観トレンド(例:環境意識の高まり)
Technological:AIの実用化速度・業界でのDX進展スピード