Step 02 of 11 BASIC

ロジックツリー
問題を分解し解決策を設計する

MECEを「縦に深める」道具。問題の根本原因を探り、解決策を体系的に考える技術。

階層構造のイラスト
Chapter 01

ロジックツリーとは何か

Key Concept

ロジックツリー = 問題・課題を「木」の形にMECEで分解する思考ツール
幹(大きなテーマ)から枝(要素)に分解していくことで、問題の構造を見える化する。「なぜこの問題が起きているか(Why)」と「どうすれば解決できるか(How)」の両方に使える。

ロジックツリーの基本構造
🌳 起点(問題・テーマ)
大カテゴリ A
大カテゴリ B
大カテゴリ C
A の小要素①
A の小要素②

各分岐はMECEを保つ。「A・B・Cを合わせると全体になる(モレなし)」「A・B・Cは重複しない(ダブりなし)」

📚
参考文献・出典
  • Minto, Barbara "The Pyramid Principle: Logic in Writing and Thinking" (1987, Prentice Hall) ― ロジックツリーを体系化した原著
  • 照屋華子・岡田恵子『ロジカルシンキング』東洋経済新報社(2001年)
  • Rasiel, Ethan M. "The McKinsey Way" (1999, McGraw-Hill) ― コンサルタントによる実践的解説
Chapter 02

2種類のロジックツリー

場面によって使い分ける

🔍 Why ツリー(原因追求型)

使う場面:「なぜ問題が起きているか」を探るとき

進み方:問題 → なぜ?→ なぜ?→ 根本原因

  • PMI後に離職者が増えた → なぜ?
  • 統合後に売上が落ちた → なぜ?
💡 How ツリー(解決策設計型)

使う場面:「どうすれば達成できるか」を考えるとき

進み方:目標 → どうやって?→ 具体的な施策

  • シナジーを実現するには → どうする?
  • 100日プランを達成するには
使い分けのコツ「問題がある → Whyツリーで原因特定 → 原因に対してHowツリーで解決策設計」の順番で使うとスムーズ。
Chapter 03

使い方:4ステップ

1

起点(幹)を具体的に定義する

「PMI後3ヶ月で顧客継続率が10%低下した」のように数字・期間を含めた具体的な起点を設定する。

2

第1層をMECEで分解する

起点を「どんな角度から見るか」の切り口を選ぶ。ヒト・モノ・カネ、内部・外部など。この段階でMECEを徹底する。

3

各枝をさらに分解する(縦に深める)

各カテゴリを「なぜ?」または「どうやって?」でさらに掘り下げる。実務では3〜4層で十分。

4

末端の葉に「アクション」を設定する

Howツリーなら「誰が・いつまでに・何をする」まで落とす。Whyツリーなら最も重要な根本原因を特定する。

Chapter 04

実例:PMIのWhyツリー

問題:A社がB社を買収してから3ヶ月、B社の優秀な従業員が4名離職した。原因を探れ。

Whyツリー ―「B社従業員の離職が増えた」
😰 B社従業員の離職が増えた

第1層の切り口:「内部要因 / 外部要因」(MECE)

📌 内部要因(会社側)
評価・処遇への不満
A社文化の押し付け
キャリアへの不安 ★根本原因
🌐 外部要因(市場側)
同業他社からのヘッドハント
転職市場の活況
→ ヒアリング結果:「キャリアへの不安」と「A社文化の押し付け感」が主因と判明。
→ 次にHowツリー:「キャリア面談を月1回設置」「B社の良い文化を統合後も維持する施策」を設計する。
📚
参考文献・出典
  • Minto, Barbara "The Pyramid Principle" (1987) ― Why/Howツリーの概念の出典
  • 中小企業庁「中小PMIガイドライン」(2022年3月)― PMIにおける人材リテンションの重要性
Chapter 05

よくある失敗パターン

失敗 ①

起点が曖昧

「業績が悪い」では広すぎる。数字・期間・場所を含めた具体的な起点を作ること。

→ 「PMI後3ヶ月で〇〇が〇%低下した」のように定量化する
失敗 ②

MECEが崩れる

「コスト問題・調達コスト問題」のように同じ内容が別の枝に入る。各層でMECEチェックが必要。

→ 分岐するたびに「これはMECEか?」とセルフチェック
失敗 ③

深掘り不足

1層で止めてしまい根本原因まで掘り下げない。対策が浅くなり再発する。

→ 「なぜ?」を最低3回繰り返す(5Why分析と組み合わせる)
Chapter 06

ツリーの「深さ」と「切り替え」の判断基準

何層まで展開すべきか・WhyからHowにいつ切り替えるか

Key Concept

「深すぎる」も「浅すぎる」も失敗。目的に合った深さを選ぶ
初心者が陥る罠は「ツリーを無限に深掘りしすぎて分析が終わらない」こと。実務では「この階層まで分解すれば具体的なアクションが出るか」を判断基準にする。

❌ 浅すぎる(2層で止まる)

「売上低下」→「商品問題・営業問題」で終わり。
施策が具体化できない・誰が何をすれば良いか不明。
→ 相手に「で、結局どうするの?」と言われる

❌ 深すぎる(6層以上)

分析に時間がかかりすぎ・枝が多すぎて全体が見えなくなる。
「木を見て森を見ず」状態。
→ 実務では3〜4層が目安

✅ 適切な深さの判断基準(実務の目安:3〜4層)

「この枝の先に具体的なタスクと担当者が見えるか?」→ YES なら止める。NO なら続ける。
例:「顧客提案数が少ない」→「提案スクリプトが未整備(担当:田中・期限:今月末)」→ここで止める

WhyツリーからHowツリーへの切り替えタイミング

Whyツリーの完了条件:「根本原因(これ以上なぜ?が出ない最深部)」が特定できたとき

Howツリーへの切り替え:特定した根本原因に対して「どうすれば解決できるか」を設計するとき

実務での鉄則:WhyとHowを同時に混ぜない。「まず全てのWhyを出し切る → その後Howを考える」の順番を守る

Chapter 06

まとめ

Summary

ロジックツリー ― 3行まとめ

  • ロジックツリーはMECEを保ちながら問題を「木」の形で分解する思考ツール
  • Whyツリー(原因探索)→ Howツリー(解決策設計)の順で使う
  • 起点を具体的に定義し、各層でMECEを維持しながら3〜4層まで深掘りする

練習問題で使いこなせるようになろう

Whyツリー・Howツリーを使った20問の演習。

ロジックツリー 練習問題を解く(20問)→