Step 01 of 11 BASIC

MECE
モレなく・ダブりなく

全ての分析の出発点。これを身につけると「整理力」と「説得力」が根本から変わる。

付箋でブレストするビジネスマン
Chapter 01

MECEとは何か

3分で核心をつかむ

Key Concept

MECE = Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive
日本語で「モレなく・ダブりなく」。何かを分類・整理するとき、全てのケースがカバーされていて(モレなし)、かつどの分類も重複しない(ダブりなし)状態にすること。

パズルのピースが全てそろっていて、どのピースも重なっていない状態をイメージしてください。それがMECEです。

MECEでない分類 vs MECEな分類

❌ MECEでない例:従業員を「20代・30代・正社員」で分類

20代
30代
正社員

問題①:40代・50代のモレ / 問題②:20代の正社員はどちらに入る?(ダブり)

✅ MECEな例:従業員を「正社員・契約社員・パート」で分類

正社員
契約社員
パート・アルバイト

全員がいずれかに入る(モレなし)・どれか1つにしか入らない(ダブりなし)

📚
参考文献・出典
  • Minto, Barbara "The Pyramid Principle: Logic in Writing and Thinking" (1987, Prentice Hall) ― MECEを体系化した原著
  • 照屋華子・岡田恵子『ロジカルシンキング』東洋経済新報社(2001年)― 日本版の定番教科書
  • McKinsey & Company ― MECEはマッキンゼーの社内研修で広まったフレームワーク
Chapter 02

なぜMECEが重要なのか

🔍 モレがあると「見落とし」が起きる

PMIの課題整理でモレがあると重要な問題を見逃す。コンサルとして信頼を失う最悪のミス。

🔄 ダブりがあると「話が冗長」になる

同じ話を2回すると聞き手を混乱させる。提案書は「無駄ゼロ・構造的」が命。

💡 MECEがあると「信頼される」

「この人は抜けなく考えている」という印象を与え、提案の説得力が増す。

Chapter 03

MECEの使い方:3ステップ

1

分析のテーマを決める

「PMI後の課題を整理したい」など、何についての分類かを明確にする。

2

切り口(分類軸)を1つ選ぶ

時間(短期・中期・長期)、機能(ヒト・モノ・カネ・情報)、立場(内部・外部)など。1テーマ1切り口で。

3

モレ・ダブりをセルフチェック

①「全てのケースがいずれかに入るか」②「1つのものが複数に入らないか」を確認。

よく使うMECEの切り口 ヒト・モノ・カネ・情報 / 短期・中期・長期 / 内部・外部 / プロセス順(調達→製造→販売→サービス)
Chapter 04

実例:PMIでMECEを使う

シナリオ:A社がB社を買収。PMI開始後、「何から手をつければいいかわからない」状況で課題をMECEで整理することになった。

PMI課題の MECE 分類 ― 「統合領域」を切り口に
👥 人事・組織
⚙️ 業務・オペレーション
💰 財務・経理
💻 IT・システム
🤝 顧客・販売

全ての統合課題がこの5領域のどれかに入る(モレなし)/ 1つの課題が2領域にまたがることはない(ダブりなし)

⚠️ M&Aで見落としやすいモレ 「法務リスク」「環境負債」「のれんの減損」などは財務DDで把握するが、PMIフェーズでも追跡が必要。5領域に「法務」を独立させるかを事前に決めておくこと。
Chapter 05

よくある失敗パターン

失敗パターン ①

切り口を混ぜる

「若手・ベテラン・技術職」← 年齢と職種が混在。ダブりだらけになる。

→ 切り口を1つに統一。「年齢別」または「職種別」のどちらか
失敗パターン ②

「その他」を乱用する

「その他30%」は分類が機能していないサイン。

→ 「その他」に多く入るなら分類軸の見直しが必要
失敗パターン ③

完璧主義で止まる

「完全なMECEでないと使えない」と固まってしまう。

→ 80点のMECEで動き出すことも戦略的に正しい
Chapter 06

まとめ

Summary

MECE ― 3行まとめ

  • MECEとは「モレなく・ダブりなく」分類する思考法
  • 切り口(分類軸)を1つ決め、モレ・ダブりをセルフチェックする
  • PMIでは「人事・業務・財務・IT・顧客」の5領域がよく使われる切り口

理解できた?練習問題で確かめよう

20問の演習。ノートに答えを書いてから「答えを見る」を押すこと。

MECE 練習問題を解く(20問)→